知☆得!納得!ネタ祭り

当サイトは「今日は何の日」のご紹介を日課にし、ニュース、お笑いネタ、その他ワクワクする情報をまとめてみました。

      タグ:ロボット



      AIとの対決で負けたとしても、それが人類をより強くするきっかけとなっているのは興味深い!

      今後、AIとの競争がますます激化していく中で、人間もますます進化していくことが期待される。

      決定的な敗北はときに成長の糧となるようです。

      香港城市大学で行われた研究により、人類の囲碁チャンピオンがAIに惨敗した2016年以降、人類プレイヤーたちの間で、勝率を向上させる斬新かつ優れた指し手が急激に増えていることが明らかになりました。

      このような急激な「指し手の質」の改善は、人類同士でしか対戦を行っていた時期には観察されていませんでした。

      研究者たちは革新的な思考が機械から人類へ「ある種の文化」として輸出され、それが人類同士の間で広がり、人類の意思決定の質を改善していると結論しています。

      人類は優れた技術や芸術、戦術を互いに学ぶことで文明を発展させてきましたが、今後は機械からより多く学んだ者が、勝者の地位を得るのかもしれません。

      機械の知性はかつてのルネサンスや明治維新のように、文明の進歩を加速する要因になるのでしょうか?

      研究内容の詳細は2023年3月13日に『PNAS』にて掲載されました。


      目次

      • 「超人的な人工知能は人間を改善する」囲碁AIに負けた人類側のスキルが急激に上昇中と判明!
      • AIによる記事の要約文

      「超人的な人工知能は人間を改善する」囲碁AIに負けた人類側のスキルが急激に上昇中と判明!

      「超人的な人工知能は人間を改善する」囲碁AIに負けた人類側のスキルが急激に上昇中と判明!
      Credit:Canva . ナゾロジー編集部

      悲しいことですが、チェスや囲碁で人類が最先端のAIに勝つことはほぼ不可能になりつつあります。

      AIは人類のチャンピオンに勝利した後も、絶え間なく性能を進化させ続けており、人類はもはやAIのライバルではなく、AI同士が人類の及ばぬところで天井の戦いを繰り広げるようになっています。

      特に1997年に人類とAIの逆転が起きたチェスでは、人類とAIの力の差が歴然としており、スマートホンに入っているようなプログラムに対しても、人類はほとんど勝てません。

      囲碁の世界で人類とAIの逆転が起きたのは2016年と比較的直近ではありますが、既に多くの年月が過ぎており、人類とAIの実力差は広くなるばかりです。

      しかし人類の歴史を紐解けば、「負ける」ことは必ずしも衰退に結びつくわけではありません。

      幕末の日本も科学技術レベルが西洋に大きく劣ることを知って精神的に大きな「負け」を経験したからこそ、明治維新という内部改革を経て、その後の飛躍につながりました。

      同様に古代ローマの文化や軍事システムも優れた他国と接して「負け」を経験するごとに進化していきました。

      また「負けがキッカケで強くなる」というパターンは文明や国家に限った話ではなく、個人レベルでも起こり得ます。

      では、超人的な囲碁AIにでボロ負けした人類は、AIから何かを学んで、それまでの人類よりも強くなっていたのでしょうか?

      答えを得るため香港城市大学は、1950年から2021年までに記録された囲碁プレーヤーたちの580万回に及ぶ指し手のデータを収集し、人類の囲碁技術が71年間の間にどのように進展してきたのかを調べることにしました。

      (※現代の囲碁ルールが確立されたのは1950年以降だと言われているため、それ以前の19世紀のデータなどは参考にしませんでした)

      具体的には、580万回の各指し手を分析し、特定の指し手を採用したことが勝率にどれほど影響を与えたかを調べ、全ての指し手の質「決定品質指数(DQI)」を設定することにしました。

      たとえば勝負に決定的な影響を与えた「運命の1手」は決定品質指数(DQI)が極めて高くなりますが、定石と言われる指し手では低くなります。

      といっても、580万回の個々の指し手を人間の専門家が逐一評価していては膨大な時間がかかってしまいます。

      そこで研究では、580万のそれぞれの指し手が行われた直後にプレイヤーをAI同士に変更して、最後の指し手が勝率に影響を与えた度合いが調べられました。

      結果、1950年から2016年の間に決定品質指数(DQI)は「‐0.2」から「+0.2」の間をさまよってほぼ停滞しているか、ひいき目に見ても緩やかに上昇している程度でした。

      しかし人類がAIに負けした2016年を境に決定品質指数(DQI)は一気に跳ね上がり、特に2018年から2021年の間には中央値が「0.7」を超える状態になりました。

      この結果は囲碁AIにボロ負けしたのをキッカケに人類プレーヤーの囲碁技術(決定品質指数(DQI))が急激に上昇したことを示します。

      「超人的な人工知能は人間を改善する」囲碁AIに負けた人類側のスキルが急激に上昇中と判明!
      Credit:Canva . ナゾロジー編集部

      また各手が以前の傾向と比べてどれくらい斬新であったかを調べて、その斬新な手の決定品質指数(DQI)を調べてみました。

      すると1950年から2016年にかけては、斬新な手は決定品質指数(DQI)を低下させる結果になっていました。

      つまり2016年まで一見斬新で魅力的にみえる手は、勝敗の確率を下げる色物に過ぎなかったのです。

      しかし2016年を境に、斬新な手が決定品質指数(DQI)を増加させることが明らかになりました。

      この結果は囲碁AIに負けた人類は長年の技術的な閉塞を打ち破り、斬新であると同時に有効な指し手を行えるように変化したことを示します。

      人類は囲碁AIに負けることで、囲碁AIのみせた人類の囲碁技術になかった要素を学び、さらに、その斬新な手を活用したプレーヤーが勝利を収めていたのです。

      実際、囲碁AIに負けた人類側のチャンピオンである李世ドル氏は対戦後に「(囲碁AI)のスタイルは人間と異なっており、とても珍しい経験だった」「囲碁AIのお陰で囲碁をもっと勉強しなければならないと気付いた」と述べています。

      また囲碁AIに負けたヨーロッパチャンピオンのFan Hui氏は「囲碁に対する見方が完全に変わるきっかけになった」と語っており、その後の彼の戦績が大幅に改善したことがわかっています。

      「超人的な人工知能は人間を改善する」囲碁AIに負けた人類側のスキルが急激に上昇中と判明!
      Credit:Canva . ナゾロジー編集部

      研究者たちは、革新的な思考が機械から人類へ「ある種の文化」として輸出され、それが人類同士の間で広がり、人類の意思決定の質を改善していると結論しています。

      人類とは異なる方法で学びを達成した超人的なAIと接することは、人類の力を増す結果になったのです。

      ただ気になる点もあります。

      現在はチェスや囲碁など特定の分野のみで人類とAIの力関係が逆転していますが、今後、同様の逆転はあらゆる分野に波及していくと予想されます。

      もし人類の能力がAIの完全な下位互換になるような未来が訪れたのならば、人類が自分の意思で何かを決定をするよりも、常にAIの指示に従っていたほうが「得をする」ようになるかもしれません。

      自分の能力を超える存在を作り続けるリスクについて、私たちは考え始めなければならなくなるでしょう。

      なお新たな試みとして、次のページでは記事内容をchatGPTに「要約」してもらったものを掲載しています。

      科学ライターが脳からひねり出した文面をAIはどう料理してくれたのでしょうか?

      AIによる記事の要約文

      負けたことで強くなれる(白目)
      Credit:Canva . ナゾロジー編集部

      前文の要約

      2016年の人類の囲碁チャンピオンのAIに対する敗北以降、人類のプレイヤーたちの勝率を向上させる斬新かつ優れた指し手が急激に増加していることが、香港城市大学の研究によって明らかになった。

      この急激な「指し手の質」の改善は、人類同士でしか対戦を行っていた時期には観察されていなかった。

      研究者たちは、この革新的な思考が機械から人類へ「ある種の文化」として輸出され、人類同士の間で広がり、人類の意思決定の質を改善していると結論づけている。

      このような学びは、文明の発展を加速する要因になる可能性がある。

      研究内容は、2023年3月13日に『PNAS』に掲載された。

      本文の要約

      最新のAIがチェスや囲碁で人類に勝つことはほぼ不可能になりつつあるとされる。

      人類はもはやAIのライバルではなく、AI同士が競い合うようになった。

      しかし、歴史を見ると、負けることは衰退につながるわけではなく、逆に強くなるためのキッカケになることもある。

      香港城市大学は、1950年から2021年までに記録された580万回の囲碁プレーヤーの指し手を分析して、人類の囲碁技術が71年間でどのように進化してきたかを調べた。

      特に、「決定品質指数(DQI)」という指標を用いて、全ての指し手の質を評価した。

      その結果、1950年から2016年の間にDQIはほぼ停滞しているか、わずかに上昇している程度であることがわかった。

      しかし人工知能(AI)が囲碁で人間に勝利した2016年を境に、人間のDQIが急激に向上したことが研究で明らかになった。

      また以前は人間の斬新な手はDQIが低下する傾向があったが、2016年を境に斬新な手がDQIを増加させるようになった。

      研究者は、AIに負けたことで人間が学び、斬新で有効な手を見つける能力を高めたと述べている。

      研究者たちは、革新的な思考が機械から人類へ「ある種の文化」として輸出され、それが人類同士の間で広がり、人類の意思決定の質を改善していると結論しています。

      ライターとしてAIに負けた気分

      要約を実行するにあたっては「ボロ負け」などchatGPTが危険視する単語を除いたり、文章を分割するなどの操作を一部で行いました。

      しかし結果としてできあがった要約文は、非常に高い完成度となりました。

      むしろ情報が圧縮されたぶん、オリジナルの記事より読みやすくなっていると言えるでしょう。

      ライターとしてAIに敗北した気分です。

      しかし今回の研究結果に従うならば、これが新たなスキル獲得や進化につながる可能性があります。それは今後、あらゆる分野で起こりうることかもしれません。

      全ての画像を見る


      元論文

      Superhuman artificial intelligence can improve human decision-making by increasing novelty https://www.pnas.org/doi/abs/10.1073/pnas.2214840120
      「AIとの敗北は人類を進化させる!?」囲碁AIに負けた人類側のスキルが急上昇していると判明!


      (出典 news.nicovideo.jp)

      【AIに負けた人類が逆襲!囲碁界に革命をもたらす!】の続きを読む

      漫画『PLUTO』手塚治虫&浦沢直樹
      ロボット社会を描く


       手塚治虫さん(「塚」は旧字体)原作、浦沢直樹さん作画の漫画『PLUTO』がアニメ化されます。同作は2023年Netflixでの独占配信を予定しており、発表に併せてPVとロゴが公開されました。

      【その他の画像】

       『PLUTO』は、『鉄腕アトム』のエピソード「地上最大のロボット」を原案とし、2003年から2009年にかけて『ビッグコミックオリジナル』(小学館)で連載された作品。人間とロボットが共存する近未来を舞台に、世界で最も優秀なロボットが次々と襲撃される事件を描いた同作は、2005年に第9回手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞した他、2011年フランスで開催された「アングレーム国際漫画フェスティバル」ではインタージェネレーション賞を受賞するなど、国内外で高い評価を得ました。

       公開されたPVは、主人公であるユーロポールロボット刑事ゲジヒトが怪事件の捜査を進める中で何者かの襲撃を受け、さらなる脅威と遭遇する姿を映した緊迫感にあふれたもの。映像の後半ではゲジヒトが追う事件と関わりのあるロボットアトムや、アトムの妹であるウランも登場します。

       PVに登場したメインキャラクターを演じるキャストも発表され、ダニエル・クレイグ吹き替えを担当している藤真秀さんがゲジヒト役で出演。アニメSHAMAN KING」の麻倉葉役などで知られる日笠陽子さんがアトム役、「マクロスΔ」でフレイア・ヴィオンを演じた鈴木みのりさんがウラン役を務めます。

       制作プロデュースを担当するのは、劇場アニメこの世界の片隅に」を手掛けたジェンコで、アニメーション制作はスタジオM2が担当。ジェンコの代表を務める真木太郎さんと、スタジオM2の代表である丸山正雄さんがエグゼクティブプロデューサーとして制作に携わります。

       原案となった「地上最大のロボット」に心を揺さぶられたという浦沢さんはアニメ化を受け、「新たな『心の作品』の誕生に心躍っています。今こそ手塚治虫さんのメッセージが世界中に届きますように」とコメント。『PLUTO』にプロデューサーとして携わった長崎尚志さんは、「手塚哲学を受け継ぎ、ただ反戦を訴えるのではなく、そこには痛みがともなうこと……それでも平和しかないということを世に問いたい作品」と、同作に込められた思いを明かしています。

       2017年にもジェンコのロゴが記載されたポスターとともに、アニメ化の話題が伝えられていた『PLUTO』。手塚眞さんは、「いつかこれは映像にされるべき」と考えていたそうで、「新しい浦沢アニメであると同時に、新しい手塚アニメ」「アニメの進化形をどのように見せてくれるか、とても楽しみ」とアニメ化に大きな期待を寄せています。

      浦沢直樹さんコメント

       60年前の発表以来、その言いようのない切なさに私の心が揺さぶられたように、多くの人の「心の漫画」となった「鉄腕アトム」の挿話「地上最大のロボット」。この作品のリメイクがいかに難事業かを身をもって知る私は、今回のアニメ化に挑むスタッフの皆さんの勇気に心から拍手を送るとともに、新たな「心の作品」の誕生に心躍っています。今こそ手塚治虫さんのメッセージが世界中に届きますように。

      ●長崎尚志さんコメント

       60年前、『PLUTO』の原作「地上最大のロボット」が誕生した。最強の戦闘能力を持つロボット達が競う物語だったが、これまでのアトムにはこの手の対戦形式の作品はなく、当時の少年達は熱狂した。アトムファンというより「地上最大のロボットファンの誕生だ。その渦中にいた私は、この作品が単に誰が強いかを描いた作品ではなく、もっと深い何かを伝えたいのではないか、と感じていた。そして『PLUTO』に挑んだ時、答えが出た。手塚治虫預言者だったのだ。現代、我々が直面している戦争とは、東西の文化や考え方の違いを理解し、尊重しなかった結果である。『PLUTO』はその手塚哲学を受け継ぎ、ただ反戦を訴えるのではなく、そこには痛みがともなうこと……それでも平和しかないということを世に問いたい作品なのだ。

      手塚眞さんコメント

       ついに、やっと、『PLUTO』がアニメになる。いつかこれは映像にされるべきだと思っていた。何度も企画が立ち上がりまた消えていったのは、その内容の難易度の故だ。確かにハードルが高い。しかしだからこそ挑戦のしがいがある本物中の「本物」だ。そしてこれは新しい浦沢アニメであると同時に、新しい手塚アニメでもある。アニメの進化形をどのように見せてくれるか、とても楽しみだ。

      アニメ「PLUTO」は2023年にNetflixで独占配信


      (出典 news.nicovideo.jp)

      【ロボットアニメ「PLUTO」の映像化 !】の続きを読む

      👉固体から液体に変わり、檻からの脱出に成功した金属ロボット

      カラパイアの元の記事はこちらからご覧ください

       体が固体にも液体にもなるといったらすぐに猫が思い浮かぶが、これは金属製の人型ロボットなので、ターミネーターの「T-1000」に近い存在なのかもしれない。

       この液体金属製のロボットは、固体から液体、液体から固体へと高速で変化することができる。実験では檻に閉じ込められたロボットが液状化し、脱出することに成功している。

       このロボットは、磁力に反応し、電気を通すことができる。病気の治療や電子回路の組み立てなど、人間の手の届かないような場所で活躍してくれると期待されている。

       その不思議な液体金属ロボットの性能実験は、学術誌『Matter』(2023年1月25日付)に掲載されている。

      【画像】 固いロボットとソフトロボットのいいとこ取り

       一般的なロボットイメージといえば、硬く頑丈なボディだろう。だがそれとは反対に、生物のように柔軟でしなやかに動く、「ソフトロボット」というタイプロボットもある。

       ソフトロボットには、硬いロボットにはないさまざまな長所があるが、柔軟性と引き換えに、頑丈ではないし、動作の制御が難しいという問題がある。

       どうにか両者のいいとこ取りはできないのか?

       カーネギーメロン大学の潘程楓(パン・チェンフォン)氏は、「ロボットに液体から固体へと変身する力を与えれば、より多くの機能を発揮させることができます」と考えた。

      [もっと知りたい!→]ターミネーターのT-1000からインスピレーションを受けた液体金属ロボットが開発中(中国)

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      Image Credit: Wang and Pan et al/Matter CC-By-SA

      磁気に反応して金属が過熱され個体から液体へと変化

       そこで彼らは海に生息する「ナマコ」に着目した。ナマコは体の組織を柔軟に変化させることで、怪我を回避することができる。

       この特性をロボットで再現する為、「磁気活性固体・液体相転移物質」と名付けられた相変化材料を開発した。

       相変化材料は、温度により液相(液体)と固相(固体)に変化する性質を持った材料のことである。

       今回開発された素材は、融点が29.8度と非常に低いガリウム金属に磁性粒子を埋め込んだものだ。

       この磁性粒子には2つの役割がある。

       1つは、磁気(交番磁場)に反応して、HIヒーターのように金属を加熱すること。これによって、金属を固体から液体へと相変化させる。そしてもう1つは、磁気でロボットコントロールして動かすことだ。

      ・合わせて読みたい→ターミネーターかな。ゴム製外骨格と組み合わせることで形状を記憶できる液体金属構造が考案される(米研究)

       これまでの相変化材料はヒートガンや電流といった外部の熱源を利用して固体から液体へと変化したが、新しい相変化材料は内部から発熱するというアプローチが採用されている。

       また粘性が低く、滑らかな流動性を実現できたところも新しいという。

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      Image Credit: Wang and Pan et al/Matter CC-By-SA

      ロボットを檻から脱出させることに成功

       研究チームは、新しい相変化材料で作ったロボットの性能を試すため、さまざまな実験を行なっている。

       動画では、人型のロボットが固体から液化し、檻から脱獄するなど、猫とか、T-1000を彷彿とさせる芸当を披露した。

      Watch this person-shaped robot liquify and escape jail, all with the power of magnets

       他にも、堀をジャンプで越えたり、壁を登ることもできる。真っ二つに分裂しては、協力しながら物体を動かし、再び合体するなんてこともできる。

      no title

      Image Credit: Wang and Pan et al/Matter CC-By-SA

      医療や製造への応用

       こうした能力を活かせば、実用的な分野でも活躍できると期待されている。

       「現在、この材料システムを実用的に使って、医療や工学の問題を解決しようとしています」と潘氏は語る。

       例えば、研究チームが試してみたように、このロボットで胃から異物を取り除いたり、薬を投与したりといった使い方があるだろう。

       ほかにも手が届かないところにしみ込み、はんだと導体の二役をこなしながら電子回路を組み立てる”スマートはんだ”や、ねじ穴の中で固まることでドライバーなしで固定する”万能ねじ”として活躍できる。

       ただし今回の研究は、あくまで概念実証のためのデモでしかない。人体内での安全性を検証するなど、実用化までにはまだまだ研究が必要であるとのことだ。

      References:Watch this person-shaped robot liquify and es | EurekAlert! / written by hiroching / edited by / parumo

       
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      猫かと思ったらロボットだった。固体から液体に変わり、檻からの脱出に成功した金属ロボット


      (出典 news.nicovideo.jp)

      【まさか!猫かと思ったらロボットだった!】の続きを読む


      👉AIがテキストからイラスト画像を生成するWebサービスMidjourney(ミッドジャーニー)が、ネット上で話題となっています。 
      Midjourney(ミッドジャーニー)とは、テキストの記述から画像を作成する研究室および人工知能プログラムの名称です。 
      現在、Midjourney(ミッドジャーニー)はβ版として公開中で、無料トライアルでは25回分のイラスト画像を生成することが可能です。

      【 絵を描く『AI・Midjourney』人気の秘密!】の続きを読む



      お台場で、ロボットと自由の女神に会えた!

       ゆりかめもに乗ってレインボーブリッジを渡り、お台場にやってきた。

       いつもならばお台場に何があるのかと歩き回ることになるのだが、今回は歩かなくても知っている。

      お台場にはロボットがいるんです」

       お台場にあるのは、フジテレビとデックス東京ビーチとダイバーシティで、あとは自由の女神ガンダムがいる。

       そんなお台場になぜやってきたのかというと、ロボットがいるんです、という編集氏からの誘いがあったからだ。なんでも、日本科学未来館で「きみとロボット ニンゲンッテ、ナンダ?」という特別展をやっているらしい。そしてそこに行けばいろんなロボットに会えるのだという。

       つまりはロボット展ということなのだが、だいたいロボット展というと最新鋭の人型ロボットがいくつか“アイキャッチ”のごとく展示されていて、あとは一般人にはあまり馴染みのない産業用ロボットが並んでいるようなものではないのか。

       そう思ったが、今回のロボット展は人間とロボットとの関わりが大きなテーマになっているらしい。さらに、国内の展覧会史上最大規模の約90種130点ものロボットが集結しているのだとか。となれば、ちょっとおもしろいのではなかろうか。というわけで、お台場までやってきたのである。

      そもそも「ロボットって、なんだ?」

       日本科学未来館で出迎えてくれたのは、「きみとロボット」展を担当している科学コミュニケーターの宮田龍さん。宮田さんに「きみとロボット」展を案内してもらった。

       会場に入って最初に待ち受けている展示ゾーンテーマは「ロボットって、なんだ?」。壁には宮田さんの汗と涙の結晶だというロボットヒストリーが描かれている。ちなみに、ロボットという言葉はチェコの作家であるカレル・チャペックが1920年に生み出した造語なのだとか。

      「ただ、ロボットという言葉が生まれる以前から、からくり人形のように人びとに親しまれてきたものはありました。言葉はなかったですが、ロボットの一種といってもいいかもしれません」(宮田さん)

       中央にはいくつものロボットが並んでいる。ひときわ目を引く黄色いロボットは、HRP-1という人型ロボット1997年に開発されたもので、動く人型ロボットの実現を目指したプロジェクトの第1号機だという。が、あいにく筆者はロボットに疎いもので、初めてお会いしました……。

      懐かしのAIBOASIMO

       そこで周囲に目を向けてみると、懐かしのAIBO、懐かしのASIMO、ここ数年見かける機会の多かったPepperくんなど、よく“見知った”ロボットがズラリと並んでいる。

       90年代から00年代にかけては、いわゆる“産業用ロボット”はすでに実用化が進んでいた中で、特に人型ロボットの開発が積極的に進んだ時代ということなのだろうか。確かに人型ロボットには夢があるけれど、かといって社会に必要なのかどうかというと微妙な気がする。戦って地球を守ってくれるわけでもないし……。

      「“技術としてすごいロボット”も、“見た目が人そっくりのロボット”も、どちらも必要なんです。人型ロボットにしても、人のようにスムーズに動くよ、ということばかりが注目されがちなんですが、それが人の社会に受け入れられるような見た目をしているかどうかも大事になってくるんです」(宮田さん)

       そしてこういったロボットの発展には、まさしくフィクションの世界であるところのSF作品も大いに関係しているのだとか。鉄腕アトムドラえもんフィクションの世界から生まれたスーパーロボット。そしてそういったフィクションからインスピレーションを得て開発されたロボットも少なくないのだ。壁面の“ロボットの歴史”を眺めていると、そういったロボットと人との関わりも学ぶことができる。

      楽器になる義手、脳波を読み取って動く腕、“人型の重機”…「いま、そこにあるロボットとの生活」

       次なる展示ゾーンテーマは「からだって、なんだ?」。見たことのある懐かしのロボットたちと触れあったと思ったら、急に哲学的になってきた。展示されているロボットは、体に装着するロボットが目立つ。

      「最近では脳波を読み取る技術も進歩しているので、脳波だけでデバイスを操作することもできるようになっています。

       また、たとえば人間の体をロボットで再現することで、人間の体のよりよい動かし方を追求するプロジェクトも進んでいます。手を2本増やしたり、義手と楽器を融合させたり、人の体を拡張するイメージですね」(宮田さん)

       義手と楽器を融合させた「ミュージアーム」は、見た目もそのままに楽器を取り付けた義手。日常的に義手を使っている人にとっては、義手はいわば自分の体の一部だ。それが楽器になるわけで、体の一部に楽器を組み込んだに等しい。

       これをロボットと呼ぶのかどうかは人によって意見が分かれそうな気もするが、活用次第でロボットは人の体の“常識”を打ち破ることもある、というわけだ。そうなると、人の体はどこまでが人の体なのか、という哲学的なテーマに直面せざるを得ない、ということなのだ。

       また、操縦者の手の力加減をロボットが再現してくれる「零式人機」は、高所や高圧線の近くでの作業の多い鉄道インフラの保守現場での活躍が期待されるとか。

      「操縦者の思い通りにロボットが動いてくれるので、直感的に操作できるのが大きなメリット。産業用ロボットではどうしても操縦が難しいというイメージがありますが、『零式人機』ならば誰でもすぐに操縦を覚えることができます。これもまた、体の拡張の一種と言っていいと思います」(宮田さん)

      “やきもちをやくロボ”、”ゴミの前まで行って震えているだけの“強くない”ロボ…

       人の体とロボットの関係を見つめたら、次のゾーンでは「こころって、なんだ?」。さらに深い問いを投げかけてくる。これはまた難しそうな……と思ったら、このゾーンには子どもたちが二重三重にロボットを取り囲んで和気藹々。なんだか楽しそうな雰囲気だ。

       子どもたちの輪の中を見てみると、そこにいるのは家庭用ロボットとして知名度が高まっているLOVOTだ。人の心に寄り添うペットタイプロボットで、“やきもちをやく”という人間的な側面を持っているのも特徴のひとつ。接する人との関係を築いていく中で、唯一無二の個性を持った存在になっていくのだ。それはもう、ロボットなのかイヌやネコのようなペットなのか、もはや境目は曖昧だ。

      ロボットというと人間ができないようなことをしてくれる存在だと思われていますが、最近ではあえて“強くない”ロボットを開発する研究も進んでいます。ゴミ箱の形をしていて動くことはできるが自分でゴミを拾うことはできず、『モコ』と声を発して人がゴミを拾ってくれるのを待つだけ、とか。人とロボットの接し方を考えていくきっかけになるのではないかと思っています」(宮田さん)

       ロボットが暮らしの中に入っていくためには、受け入れられやすさが大事になってくる。そのために見た目のかわいさを追求したり、触ったときの質感に工夫をこらしたり、さまざまなアプローチが試みられているという。そのひとつが、あえて“強くない”ロボットにするというものなのだ。

      AIで“生まれ変わった”手塚治虫と「21世紀の新作」

       そして人の暮らしの中に入ってくるロボットにとっては、“会話”もひとつのポイントだ。そんな中で、「こころって、なんだ?」ゾーンの締めくくりで現れるのが、とてつもなくリアルな、というか人そのものとしか思えない造形をしている「ジェミノイドHI-4」。開発を主導している大阪大学石黒浩教授本人にそっくりなロボットだ。

       今回の特別展では、この「ジェミノイド」が2体(HI-4とHI-2)並んで、来場者もジェミノイド同士の議論に参加することができる。人間同士のリアルな会話とはまだまだ距離を感じるが、人間そのものの見た目のロボット2体と会話をしてみると、なんとも不気味な気持ちになってくる。これがさらに進化していくと、もはや人間とロボットの境目すらも曖昧になっていくのではなかろうか。そして、それって結構危ないことのような……。

       などと思いを巡らせたところで、「きみとロボット」展は終盤へ。テーマは「いのちって、なんだ?」。そこでいきなりインパクトを与えてくるのが、夏目漱石レオナルド・ダ・ヴィンチアンドロイド。動くわけでもなく喋るわけでもないので蝋人形のようなものといえばそうなのだが、隣には手塚治虫の作品群を元にAIと人間が共同で創作した「ぱいどん」やいつだったかの紅白歌合戦で登場した「AI美空ひばり」が並ぶ。

      「大切な人が亡くなったあとに、思考も挙動も同じアンドロイドを作れるとして、あなたはそれを望みますか?」

       もしも近い将来これらが融合したら、見た目も思考も夏目漱石そのままのロボットが誕生してしまうかもしれない、ということだ。AI技術がますます発展すれば、夏目漱石アンドロイドが書いた夏目漱石の新作、なんてものが書店に並ぶ日も……。こうなってくると、「最近のロボットってすごいよね。ドラえもんとか鉄腕アトムとかガンダムが実現するかもってこと?」などとのんきなことを言っていられない。

      「“命”をテーマにすると、いろいろ考えさせられることがあると思います。人間ひとりひとりの思考とか会話とか挙動がロボットバックアップできるようになった場合、それはもはやバックアップと呼べるのかどうか。大切な人が亡くなったあとに、思考も挙動も同じアンドロイドを作ったときに、それは本人なのかまったくの別物なのか。来場者にもそういったことを少しでも考えていただくというのが、今回の特別展の狙いのひとつなんです」(宮田さん)

       特別展のラストには、「あなたは死後、あなたの個人データとAIやCGなどを利用して『復活』させられることを許可しますか?」という問いが投げかけられる。YESかNOのどちらかに投票するのだが、取材時にはNOがわずかにYESを上回る程度で拮抗中。つまりはなかなか結論の出ないテーマ、ということなのだろう。

      ロボットは「人と人の間に入れる科学技術」

      ロボットは、使い方によっては課題解決になる優れた技術です。盲導犬のように目的地に連れて行ってくれるAIスーツケースなどもあり、これなどはまさに課題を解決するロボット。ですが、使い方を誤ると上手くいかないこともあるんです。

       たとえば、AmazonがAIに採用を任せたら、男女平等ではなく女性をほとんど採用しなかった。それは、それまで人間がやっていた採用の“歪み”も含めてAIが学習してしまったからです。ロボットやAIは単純に未来を明るくしてくれるものとは限らないんです」(宮田さん)

       宮田さんがこう話すように、ロボットの技術は使い方次第で毒にも薬にもなるし、人間とは何かという優れて哲学的な問いにも直結するのだ。

       人型ロボットからかわいらしいペットロボット、ぞっとするほどリアルアンドロイド、AIで会話できるロボット。あらゆるタイプロボットが並び、ふれあえる。それだけでも充分楽しめるが、その中でロボットと人間との関わりについて考えるきっかけにもなるのが、「きみとロボット」展というわけだ。

      「人と人の間に入れる科学技術がロボット。不安要素もあるし、希望もあると思います。この特別展では私たちの考え方を押しつけようという気持ちはまったくありません。少しでも、何かを考えるきっかけにしていただきたいという思いで作っています」(宮田さん)

       もはや、ロボットは夢の技術ではない。すでに人びとの暮らしの中に入り込んでいるのだ。「きみとロボット」展の締めくくりでは、ロボットと人間が織りなす近い将来の社会像が提示されている。ロボットの友達とケンカしたり、パートナーロボットと生活を共にしたり、アバターを使って家に居ながらにして世界旅行をしたり。

       どんな未来がやってくるかはわからない。そしてそれを決めるのは私たちひとりひとりなのだ。そんなことを、お台場の片隅で考えさせられた。ダイバーシティのふもとにそびえるガンダムも、もしかしたらただのフィクションではなくなる日が、やってくるのかもしれない。

      (鼠入 昌史)

      ©iStock.com


      (出典 news.nicovideo.jp)

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