1990年代からマツダとBMWが既存のエンジンを改良する形で水素燃料エンジンの開発を進めている。 2006年、水素エネルギー開発研究所が水素と水を燃料とするエンジン(HAWエンジン)を開発し、世界35カ国で特許を取得した。 2009年、広島市にマツダ・RX-8水素エンジン搭載が納入される。マツダはフォードと提携している。
21キロバイト (2,924 語) - 2021年7月31日 (土) 06:07


菅内閣の描く「2050年カーボンニュートラル」では水素が重要な役割を担う。
それの目指す方向性は需要の電化と電源の低炭素化だ。需要の電化とは、今はガスやガソリン、灯油などを使用場面に応じて選択しているが、基本は電気に置き換える。
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この需要地まで電気エネルギーを届ける方法として、水素が注目されている。電気自動車(EV)は電源から電気エネルギーを得るが、FCVは水素を介して電気エネルギーを得ると見ることができる。いうなれば、水素はエネルギーを運ぶための“キャリア”だ。

社会としては需要の電化と同時に、発電部分の低炭素化を図る。水素エンジンのように、天然ガスではなく水素ガスによる火力発電もひとつの案だ。
需要の電化はガソリンエンジンやディーゼルエンジンにとって完全な逆風だが、水素あるいは100%バイオフューエルのようなサステイナブルな燃料ならば、2050年もエンジン車に乗れる可能性はある。

ただし、これらはすべて未来の話で、実現にはあまたのハードルがある。
例えば、水素はキャリアとして社会の隅々にまでエネルギーを届ける役割を果たせるかもしれないが、物性上、非常に軽くてエネルギー密度が低いため、貯蔵・管理・運搬にはコストがかかる。
液化水素やアンモニアなど、扱いやすい形態が検討されているが、現時点では決定打になっていない。加えて、現状の社会システムでは水素の製造にも多大なコストが必要だ。
副次的に発生する水素の活用も検討されているが、十分な社会的インパクトがある施策には至っていない。
これら根本的な課題をどう解決していくのか、産官学連携で道筋を探していくことになるだろう。



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