菊池 雄星(きくち ゆうせい、1991年6月17日 - )は、岩手県盛岡市出身のプロ野球選手(投手)。左投左打。MLBのシアトル・マリナーズ所属。愛称はMLBでは「U Say」など。 妻は元アナウンサーの深津瑠美。代理人はスコット・ボラス。 小学3年生の時に見前タイガースで一塁手として野球を始める。
67キロバイト (9,105 語) - 2021年10月9日 (土) 14:03


MLBの舞台でもその才能を思う存分に発揮している怪物を怪物たらしめているものとはいったい何だろ??
大谷が自らのモデルとして追いかけた菊池雄星の背中、母校・花巻東の恩師・佐々木洋監督の教え、そして大谷をそばで見てきた男たちの言葉をひも解くことで、その解を求めてみたい!
花巻東・佐々木監督が伝える「投資と消費」とは?
菊池雄星、大谷翔平ら2人のメジャーリーガーを輩出した花巻東の佐々木洋監督は、普段の授業の前に生徒たちに語りかける時間をつくっている。自身の指導バイブル書を用いての0時間目の授業だ。

そのバイブルの基になっているのが、これまで関わってきた菊池、大谷らあまたのOBを指導して得た、成功への道標だ。

菊池らの現役当時とは表現の仕方こそ異なっているものの、佐々木監督が特に伝えるのは「投資」と「消費」の話だ。

『漫画を買うことと、参考書を買うこと。どちらが消費で、どちらが投資なのか。あるいは、ドラマを見る時間と、参考書を開く時間はどちらが消費で、投資なのかということです。
私自身、昔は投資や消費について考えなかったんですが、何かのアクションに対してのリターンとは何かを考えるようになりました。
勉強でのリターン。ゲームをしていてのリターン。リターンがないのは消費ですよね。選手たちにはドラマを15話見ていることのリターンはあるのかないのか。人のドラマに感動している時間があったら、自分のドラマをつくることに時間を費やしたほうがいいんじゃないかという話をしています』
❝人生は選択の連続だ。今、何をすべきかどうかの葛藤がある中で、その決断が人生を左右する。今の満足を得るだけの消費なのか、将来の何かの役に立つための投資になっているかを考えさせることは、高校生たちにとって貴重な時間といえるだろう❞

「雄星は、本当に将来への投資をする選手でした。親からもらったお金は、トレーニングの本やDVDなどに当てていました。(埼玉西武)ライオンズに入ってからも、いろんな人と会ったり、トレーニングを勉強したりする時間をつくったり、その姿勢は変わらなかったと思います」
❛因みに大谷翔平の言葉に❜
「僕が中学3年生の時に見た光景がある。岩手県の人が熱狂して岩手のチームを応援していたこと。高校野球で岩手が一つになっていたこと。その花巻東には世界を巻き込み日本中を騒がせたすごい男がいた。だから、僕も雄星さんのように尊敬される選手になりたい。愛されるプロ野球選手になりたい。」ドラフト1位で。僕もドラフト1位で……」

大谷と菊池は3学年離れている。つまり、菊池が高校3年生だった時、大谷は中学3年生だ。花巻東フィーバーに沸いた、2009年の出来事(※)を目の当たりにした大谷は、純粋に成功するために、花巻東に進学することが近道だと感じ、菊池を目指したというわけだ。
(※)2009年、菊池を擁する花巻東は、春のセンバツで準優勝、夏の選手権でベスト4進出を果たし、社会現象を巻き起こした。

大谷がプロに入って成功を収めていくうち、その足跡として注目されたことの一つに目標設定を明確に記した81マスからなるマンダラチャート(目標達成シート)がある。これは花巻東では伝統となっている選手たちにとってのお守りだが、佐々木によれば、大谷は菊池のものをまねていると語る。

「目標というのは車に乗ってカーナビをセットするように、今日どこへ向かうのかというものです。夢を描いたはいいけど、どうやってかなえるかはわからないので、目標を設置することから始めていくということです。81マスからなる目標設定用紙は、大谷で有名になりましたが、大谷は雄星のものを参考にしていました」

もちろん、全ての項目を同じようにしたというわけではない。
菊池のようになるためには、菊池が書いていた目標を参考にしながら、さらにその上の目標を設定して、追い抜こうとしていたのだ。

佐々木はこうも言っている。

「正直に言いまして、雄星を指導していた時は、僕自身もあれだけの選手を預かるのは初めてで全てが手探りでした。しかし、大谷の時は、雄星という成功例がありました。だから、雄星の時のまま大谷に伝えました。大谷が上で、雄星の方が下のように世間では言われていますが、もし、彼らの入学してくる順序が逆だったら、僕は雄星のほうが先にメジャーリーガーになっていたと思います」
 ❴花巻から世界へ!❵

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